General derma
一般皮膚科
新生児からお年寄りまで
皮膚科疾患すべてに対応しています。
湿疹、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、じんましん、ニキビ、多汗症、いぼ、ヘルペス、水虫など、当院では皮膚科の専門施設として、最新の医学的知見を取り入れた治療を提供しています。
必要に応じて血液検査や皮膚生検も行っています。
また、毛髪や爪に関するトラブルも含め、皮膚に関するあらゆるご相談に対応いたします。
アトピー性皮膚炎、湿疹、
かぶれ、乾燥肌などの治療
皮膚は人体の表面を覆い、細菌やウイルスから身体を守ったり、水分の喪失を防ぐなど生命維持において重要な役割を担っています。
この皮膚のバリア機能が低下すると、肌が乾燥しやすくなり、細菌やウイルス、花粉、ハウスダストなどが侵入しやすくなります。これにより、炎症を引き起こした状態を「湿疹」や「皮膚炎」と呼び、さまざまな症状が現れます。
治療では、まず外用薬を用いて炎症を抑え、その後、保湿剤を使用して皮膚のバリア機能を強化し、健康な状態を維持することが治療の基本的な流れとなります。
塗り薬には近年ステロイド以外にも効果的に炎症を抑えられる外用剤が開発されていますので、皮膚科専門医の立場から最適な治療を提案させていただきます。
当院では、重症アトピー性皮膚炎の方への注射薬(デュピクセント)にも対応しています。
ニキビの治療
ニキビは、90%以上の人が一度は経験すると言われる、非常に一般的な皮膚疾患です。その発症には、ホルモンバランスの乱れや皮脂の過剰分泌、角質の異常、細菌の感染といった4つの要因が大きく関与しています。放置していると、ニキビ跡として残ってしまうことがあります。
2008年以降、ニキビ治療において角質の剥離作用や抗菌作用を持つ新しい薬が登場し、治療の選択肢が増えています。市販薬では効果が得られない場合や、治療がうまくいかない方は、ぜひ当院にご相談ください。
保険でできるニキビ治療
ニキビ治療に関して、保険診療の範囲内で行える治療法がたくさんあります。適切な治療を受けることで症状が改善し、ニキビの悩みから解放される方も少なくありません。 当院でも、まずは保険診療内での治療を優先的におすすめしています。ニキビに悩んでいる方は、まずは当院へお越しください。
塗り薬(外用薬)
ディフェリンゲル(アダパレン)
皮脂腺の過剰な活動や毛穴の詰まりが原因でできる白ニキビや黒ニキビ、炎症を伴わない初期段階のニキビに効果的な薬です。最初の1~2週間は、使用によって乾燥や軽いかゆみ、赤みが出ることがありますが、これは薬が作用しているサインであり、通常は数週間以内に治まります。
ベピオゲル(過酸化ベンゾイル)
アクネ菌(ニキビの原因となる細菌)に対して強力な抗菌効果を発揮します。他の抗菌薬とは異なり、耐性菌が発生しにくいことが大きな特徴です。アクネ菌だけでなく、皮膚上のブドウ球菌などの増殖も抑えるため、ニキビの炎症を鎮めるのに役立ちます。使用初期には、皮膚が乾燥したり、かゆみや赤みが出ることがあります。これは薬が作用しているサインでもありますが、刺激が強い場合は使用頻度を減らすか、一時的に中止することも考慮します。
外用抗菌薬
外用抗菌薬は、炎症性のニキビに対して使用される治療法で、ニキビの原因となるアクネ菌や他の細菌の増殖を抑える働きを持っています。特に、ゼビアックス(オゼノキサシン)、ダラシン(クリンダマイシン)、アクアチム(ナジフロキサシン)は、皮膚科でよく使用される代表的な外用抗菌薬です。
一部の方には乾燥やかゆみ、刺激を感じることがあるため、症状が強い場合は使用を中止し、医師に相談してください。
飲み薬(内服薬)
ミノマイシン(ミノサイクリン)
アクネ菌などのニキビの原因となる細菌に対して強力な抗菌作用を発揮します。細菌のタンパク質合成を阻害し、細菌の増殖を抑えます。中等度から重度の炎症性ニキビに適応されます。外用薬では効果が十分でない場合や、顔以外にも広範囲にニキビが発生している場合に効果があります。
ビブラマイシン
(ドキシサイクリン)
ミノマイシンと同様、アクネ菌やブドウ球菌に対して効果的で、細菌のタンパク質合成を阻害し、増殖を抑えます。中等度から重度の炎症性ニキビに使用されます。特に、外用薬が効きにくい方や、体幹部に広がるニキビに対しても効果があります。胃の不快感や吐き気を引き起こすことがあります。服用時には水と一緒に摂取し、食後に飲むことで胃腸への負担を軽減することができます。
漢方薬
ニキビは、皮脂腺の過剰な活動や毛穴の詰まり、炎症などが原因で発症します。漢方薬は、体全体のバランスを整えることを重視しており、当院でも学会の推奨する荊芥連翹湯や十味敗毒湯、清上防風湯などを処方しています。漢方薬は即効性があるわけではなく、継続的な使用が大切です。ニキビの治療には、生活習慣の改善やスキンケアも重要ですので、外用薬や抗生剤とともに総合的なアプローチを行います。
面ぽう圧出
面ぽう圧出とは、毛穴のつまりがある部位に小さな穴をあけ、専用の器具を使って押し出すことで、毛穴にたまった皮脂や膿を除去する治療法です。
ニキビの主な原因となるアクネ菌は、毛穴に詰まった皮脂や角質を栄養源として繁殖します。このため、その原因となるものを取り除くことでニキビの悪化を防ぎ、改善を促す仕組みになっています。
施術後は皮膚にダメージがある状態なので、日焼け止めクリームなどを使用して、紫外線対策を行い、肌を清潔に保つように心掛けましょう。
より効果的な治療を
ご希望の方へ
保険診療での治療を行ったものの改善しないニキビがある方や、お薬が合わなかったり、ニキビ跡が気になる場合は、自費診療による治療を検討しましょう。 当院ではケミカルピーリングやアクネレーザーなどを使用した効果的なニキビ治療をご提供しております。
円形脱毛症の治療
円形脱毛症は、自己免疫疾患の一種で、免疫システムが誤って毛根を攻撃することで髪の毛が抜け落ちる病気です。一般的には10円玉ほどの円形の脱毛が見られることが多いですが、症状はさまざまで、頭部全体に広がるケースや、まゆ毛、まつ毛、さらには体毛にまで影響が及ぶ重症例もあります。
当院では採血で他の自己免疫疾患合併の除外を行い、治療は飲み薬や塗り薬に加えて、ステロイド局所注射による治療を行っております。
ステロイド局所注射による治療
円形脱毛症治療におけるステロイド局所注射とは、脱毛部に炎症や免疫反応を抑える効果のある副腎皮質ステロイドを、2~4週間隔で脱毛部に注射で注入する治療法です。
日本皮膚科学会でも有効性が高く評価されており、高い発毛効果がありますが、注射時に痛みを伴うことが難点です。
効果
- 数多くの発毛効果が認められている
- 早い方は一ヶ月程度で発毛を実感できる
- 保険が適用されるため、安価で治療が可能
リスク・副作用
- 注射部位に皮膚の萎縮や、血管拡張が起こる場合がある
- 注射時に痛みがある(※当院では局所麻酔を併用して注入いたします。)
多汗症の治療
多汗症とは、通常よりも過剰に汗をかく状態を指します。気温や運動などによる体温調節とは関係なく、日常生活の中で異常なほどの発汗が見られるのが特徴です。多汗症は全身に現れる場合もあれば、特定の部位(手のひら、足の裏、脇の下など)に集中する局所性多汗症としても発症します。
当院では、患者様一人ひとりに合わせた治療法を提案し、日常生活での快適さを取り戻すサポートを行っています。
多汗症の治療薬(腋汗)
エクロックゲル
主に腋の下の多汗症の治療に使用される外用薬です。塗布することで、汗腺の働きを抑制し、過剰な発汗を抑える効果があります。このゲルは、汗をかきやすい部分に直接塗布するだけで効果を発揮するため、使い方が簡単で毎日のケアに取り入れやすいのが特徴です。エクロックゲルは、皮膚に優しい処方となっており、肌が敏感な方にも安心して使用いただけます。
ラピフォートワイプ
腋窩多汗症の治療に特化した使い捨ての拭き取りタイプの製品です。このワイプは、汗腺の過剰な活動を抑える「グリコピロニウム」を含有しており、腋の下を拭くだけで、効果的に発汗をコントロールします。また、携帯に便利なため外出先でも使用でき、日常の発汗ケアを手軽に行うことが可能です。
多汗症の治療薬(手掌の汗)
アポハイドローション
手のひらの局所的な多汗症の治療に使用される外用ローションです。この製品は、発汗を抑える成分「オキシブチニン」を含んでおり、塗布することで汗腺の活動を抑制し、過剰な発汗を効果的にコントロールします。
発汗が気になる部位に直接塗布することで、持続的な発汗抑制効果が期待できます。
フットケア
フットケアは、皮膚科の専門医のもとに行う、足の総合的なケアです。主に爪を整え、タコや魚の目、かかとの角質を除去します。
健康的に歩きつづけるためには、爪や足の皮膚の病気の治療・予防がとても大切です。
当院では、足のトラブルを早期発見し処置することで、より快適で健康的な生活を送っていただけるようサポートをしています。
タコ、ウオノメ
タコや魚の目は、圧力や摩擦が長期間続くことで、特定の部位の角質が厚くなってできるものです。皮膚科では、タコは「胼胝(べんち)」、魚の目は「鶏眼(けいがん)」と呼ばれています。胼胝は比較的広い範囲で角質が厚くなるのが特徴で、痛みを感じにくいことが多いです。一方、鶏眼は厚くなった角質の一部が芯のように硬くなり、圧力がかかると痛みを伴うことが一般的です。
巻き爪、陥入爪
巻き爪や陥入爪は、足の形状や歩き方、爪の切り方の不適切さ、またはハイヒールの使用が原因で爪が変形し、皮膚に爪が食い込む状態を指します。これにより痛みや腫れが生じ、歩行困難や日常生活に支障をきたすことがあります。
当院では、包括的なフットケアを提案し、自宅でできるケアから自費診療の治療まで、個々の状態に最適な治療法を提供します。
巻き爪のB/Sスパンゲ法について
当院では、B/Sスパンゲ法という巻き爪の矯正治療を行っております。
B/Sスパンゲとは、ドイツ発祥の形状記憶の特殊なプラスチックプレート(厚さ0.2mm)を、専用の接着剤で爪の上に貼り、巻いてしまった爪の形を正常な爪の形に整えていく矯正方法です。
この方法は、弾力のあるグラスファイバー(ガラス繊維強化プラスチック)製のプレートを爪に装着し、その力で巻き爪を矯正するものです。爪に貼るだけなので、皮膚や爪を傷つけることなく、痛みもほとんどありません。さまざまな年齢層に使用でき、透明なプレートは目立ちにくく、ネイルカラーも塗れます。ただし、ジェルネイルは避けてください。
初回の施術から痛みが改善される方もいらっしゃいますが、プレートの張力は段々と低下してくるため、基本的に1ヶ月に1回の貼り替えが必要となります。
料金
初回:6,000円
2回目以降:4,500円
※要予約
※B/Sスパンゲ法は自費診療になります
Pediatric derma
小児皮膚科
お子様の肌はまだ発達段階にあり、大人の肌に比べて非常に繊細です。また、免疫機能も完全ではないため、治療には特別な配慮が必要です。さらに、お子様には特有の皮膚症状が見られることが多く、個々の状態に大きな差があるため、診察を丁寧に行い、それぞれに適した診療を提供することが重要です。
当院では、目の前の症状をただ治すだけでなく、大人になってからも健康な肌を維持できるような診療を行っております。
新生児の皮膚疾患
新生児のお子様の皮膚トラブルに対して、「小児科と皮膚科のどちらに行けばよいの?」と迷われることはありませんか?赤ちゃんの肌は非常にデリケートで、ちょっとした刺激でも湿疹やかぶれ、あせもなどのトラブルが起こりやすくなっています。当院では、新生児から乳幼児まで幅広く診察しております。
肌トラブルの予防とケアのサポート
新生児期の皮膚トラブルは、早期に適切なケアを行うことで悪化を防ぐことができます。当院では、保護者の方にもわかりやすく、家庭でできる日常的なスキンケアやトラブル予防法についても指導いたします。
安心して通える環境づくり
赤ちゃんをお連れになる保護者の皆様が安心して来院いただけるよう、院内はバリアフリーで診察室も広くとっておりますので、ベビーカーのまま入室可能です。赤ちゃんのデリケートな肌を守るための対応に力を入れておりますので、どうぞ安心してお任せください。
お子様に多い皮膚疾患
乳児湿疹
生後2〜3週間から数ヶ月までの間に、赤ちゃんの顔や体に現れる湿疹の総称です。乳児湿疹には乾燥によるもの、汗疹(あせも)、アトピー性皮膚炎による湿疹、かぶれなどが含まれます。これらの原因を正確に見極めることが治療には重要です。
乾燥による湿疹には、保湿ケアを行いつつ、炎症がひどい場合には外用薬を併用します。また、乳児は新陳代謝が活発なため汗疹ができやすく、特に夏には軟膏やクリームのべたつきが気になる場合があります。そのため、ローション剤を使用するなどして、症状に応じた工夫をしながら対応します。
オムツかぶれ
尿や便による浸軟(皮膚がふやける状態)と、尿や便自体の刺激が原因で、おむつが当たる部分に赤いブツブツやただれができることがあります。当院では、保護剤(ワセリンや亜鉛華軟膏、アズノール軟膏など)による撥水対策を行います。かぶれてしまい、炎症が強い時には、弱いステロイド軟膏を使用します。数日ケアをしてもよくならない時は、保護剤の変更、ケア方法や撥水対策について見直しさせていただきますので、お気軽にご相談ください。
とびひ(伝染性膿痂疹)
とびひは、あせもや虫刺されを掻きこわした傷、すり傷、ジクジクした湿疹などに細菌が感染して起こります。これらの細菌は、健康な皮膚には感染しませんが傷ができていたりアトピー性皮膚炎があると、皮膚の抵抗力が弱くなっているため感染する場合があります。
治療には抗菌薬の内服や外用を用い、掻痒が強い場合は抗ヒスタミン剤の内服を併用します。
水痘(水ぼうそう)
水痘帯状疱疹ウイルスの初感染によって発症します。当院では迅速検査キットによる診断を行っており、とびひや虫刺され、あせもと見分けがつきにくい状態でも診断可能です。
潜伏期間は2〜3週間と比較的長く、発熱や全身倦怠感とともに赤い発疹が現れ、その後水疱へと進展します。空気感染で伝染するため、水疱がすべてかさぶたになるまで学校には出席できません。
処方としては、抗ウイルス薬を5日間投与します(成人の場合には5~7日間)。また、皮疹に対しては、必要に応じて軟膏を処方いたします。
全身のぶつぶつがカサブタになったら登園・登校ができます。再度内服終了後に来院いただき、治癒証明書を発行いたします。
手足口病
コクサッキーウイルスやエンテロウイルスなどによって引き起こされる感染症で、手のひらや足の裏、口腔内に赤い皮疹や水疱が現れます。風邪のような症状や発熱を伴うこともあります。いくつかのウイルスが原因となるため、それぞれのウイルスによって症状にも多少の違いがあります。水疱が手足だけでなく、臀部にもできたり、手に炎症が強く出て爪が浮いて剥がれることもあります。
発熱や体のだるさ、口内炎による食事困難、下痢、頭痛などの症状がなければ、学校を休む必要はありません。しかし、手足の水疱や口内炎が治っても、便にウイルスが長期間排泄されるため、トイレの後にはしっかり手洗いを行うことが大切です。
水いぼ
水いぼは、ウイルスによって引き起こされる皮膚感染症で、正式には伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)と呼ばれます。このウイルスは、ポックスウイルスの一種で、主に小さなお子様に多く見られますが、大人にも感染することがあります。水いぼは、肌と肌が触れ合うことや、共有するタオルや衣類を介して感染が広がります。
通常、免疫力が働くことで数ヶ月ほどで自然に治癒しますが、感染が広がらないようにするためや、見た目の問題から治療を行います。
当院では、麻酔テープを併用しながら専用の器具でいぼを一つ一つ取り除く処置(摘除)を行っています。
尋常性疣贅
尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって引き起こされる、皮膚にできるイボです。特に手や足の指、膝など、皮膚に摩擦や圧力がかかりやすい部位に発生し、主に子供や若年層に多く見られますが、大人にも発生することがあります。ウイルス性であるため、感染力があり、接触を通じて他人や自分の別の部位に広がることがあります。
治療としては、液体窒素による凍結療法や貼付剤によって角質を軟化させる方法を取ります。
治療中は、イボをむやみに触らないようにし、傷つけないことが重要です。また、液体窒素による治療後は2,3日ジンジンしたり、血まめや水ぶくれができることがありますが、感染部に意図的に低温やけどを作っている治療なので心配いりません。弱めに治療してほしい場合は対応しますのでおっしゃってください。
アトピー性皮膚炎
報告によって差はありますが、約10%のお子様にアトピー性皮膚炎の症状が見られており、小児皮膚科では非常に一般的な疾患です。この病気は通常、乳幼児期や小児期に発症し、年齢とともにその患者数は減少します。一部の方は成人型アトピー性皮膚炎に移行すると言われています。
うちの子はアトピーでしょうか?
小さなお子様のご両親からよくいただく質問です。親御さんにとって、大切なお子様がアトピーかどうかはとても気になる点だと思います。 一時的な乳児湿疹と乳児期に発症するアトピー性皮膚炎は、いずれも湿疹を伴うため、初診ではベテランの医師であっても判別が難しいものです。乳児の皮膚は薄く外的刺激に敏感なので、保湿スキンケアが不可欠ですが、アトピー性皮膚炎と乳児湿疹で治療方針が大きく異なるわけではなく、いずれの場合も保湿と炎症を抑える治療が基本となります。 アトピー性皮膚炎は継続的な治療が必要になることも多く、親御さんが心配するのも無理はありませんが、過度に恐れる必要はありません。お子様の肌質に応じた適切なケアを行い、良好な関係を築いていくことが重要です。
当院では、皮膚の状態や季節、気温、湿度に応じて、無理なく続けられる適切な保湿剤をご提案します。炎症を抑える治療については、近年はステロイド以外にも効果的に炎症を抑えられる外用剤が開発されていますので、専門医の立場から症状に応じた最適な外用薬を処方いたします。
Allergy
アレルギー科
アレルギーが関係する皮膚疾患には、アトピー性皮膚炎、じんましん、接触皮膚炎などがあります。アレルゲン(抗原)は、動植物、食品、化粧品、金属、薬品など多岐にわたるため、原因が特定できない場合もあります。当院では、採血によるアレルギー検査、金属パッチテストが可能ですので、可能な限り原因を特定した上で、最適な治療法をご提案いたします。
代表的なアレルギー疾患
蕁麻疹(じんましん)
突然、蚊に刺されたようなかゆみを伴う腫れが現れ、通常は2時間以内、遅くても24時間以内に消えることが多いです。蕁麻疹の原因としては、食べ物や湿度の変化(暑さや寒さ)、日光、皮膚への摩擦(ひっかきなど)、薬剤、接触、ストレスや疲労、内臓疾患などが挙げられますが、約70%は原因が特定できません。治療としては、原因を避けることが最も重要ですが、原因が不明であったり、避けられない場合は、抗アレルギー薬の内服を行います。呼吸困難を伴う場合は、重大なサインであるため、すぐに救急医療機関を受診してください。
食物アレルギー
特定の食品に対して体の免疫システムが過剰に反応し、アレルギー症状を引き起こす状態です。症状は、蕁麻疹やかゆみなどの軽度なものから、呼吸困難やアナフィラキシーショックといった重篤なものまで幅広くあります。特に乳幼児や小児に多く見られますが、大人になってから発症するケースもあります。食物アレルギーは、症状や経過、アレルギー検査に基づいて診断されます。治療の基本は、アレルギーを引き起こす食品を摂取しないことです。
また、症状が出た場合に備えて、抗ヒスタミン薬やエピペン(アドレナリン自己注射)を常備することが推奨されます。エピペンは保険適用となります。当院で取り扱っていますので処方をご希望の方はぜひご相談ください。
※エピペンはアナフィラキシー症状を一時的に緩和するものであって、根本的な治療薬ではありません。
金属アレルギー
金属に触れた部分の皮膚がかぶれたり、炎症を起こしたりするアレルギー反応です。日常生活で身近なアクセサリーやメガネ、歯科治療の材料、調理器具など、さまざまな金属が原因となることがあります。症状は遅れて現れることが多く、接触後数日から1週間後に発症することもあります。金属アレルギーの診断には、パッチテストを行い、どの金属に反応しているかを特定します。治療は、原因となる金属との接触を避けることが基本ですが、症状が出た場合には、ステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬で炎症やかゆみを抑える治療を行います。
アレルギー性鼻炎
花粉やハウスダスト、動物の毛など、特定のアレルゲンに対して鼻の粘膜が過敏に反応し、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどの症状を引き起こす疾患です。季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)と通年性アレルギー性鼻炎(ハウスダストなどによるもの)の2種類に分けられます。アレルギー性鼻炎の診断は、症状の経過やアレルギー検査を基に行います。治療は、アレルギーを引き起こす原因を避ける対策と、抗ヒスタミン薬や点鼻薬による症状の緩和が中心です。花粉症のような季節性のものには、早期に予防的な治療を開始することも有効です。
アレルギー性結膜炎
目の結膜がアレルゲンに対して過敏に反応し、かゆみや充血、涙目などの症状を引き起こす病気です。主に花粉やハウスダストなどが原因となり、アレルギー性鼻炎と同時に発症することが多く見られます。アレルギー性結膜炎の診断は、症状やアレルギー検査に基づいて行われます。治療には、抗ヒスタミン薬の内服や点眼薬が効果的です。
当院で可能な
アレルギー検査
View39検査
アレルギーの原因となる39種類の項目を一度に調べることができる血液検査です。アレルギー性疾患の診断や治療方針を決定する際に非常に有効で、食物アレルギーや花粉症、ハウスダストによるアレルギーなど、さまざまなアレルギーの原因物質を特定することが可能です。
View39検査の特徴
39項目のアレルゲンを一度に調べられるため、複数のアレルギー原因を効率よく特定できます。また、採血によって検査を行うため、皮膚に負担をかけることなく、短時間で実施可能です。
View39検査でわかること
・吸入系のアレルゲン
ヤケヒョウヒダニ、ハウスダスト1、ネコ皮屑、イヌ皮屑、ガ、ゴキブリ、スギ、ヒノキ、ハンノキ(属)、シラカンバ(属)、カモガヤ、オオアワガエリ、ブタクサ、ヨモギ、アルテルナリア(ススカビ)、アスペルギルス(コウジカビ)、カンジダ、マラセチア(属)、ラテックス
・食物系のアレルゲン
卵白、オボムコイド、ミルク、小麦、ピーナッツ、大豆、米、ゴマ、ソバ、エビ、カニ、キウイ、リンゴ、バナナ、マグロ、サケ、サバ、牛肉、鶏肉、豚肉
金属パッチテスト
金属によるアレルギー反応を確認するための検査です。アクセサリーや歯科治療に使われる金属、調理器具や食品に含まれる金属が原因で、皮膚にかゆみやかぶれ、湿疹が現れることがあります。金属アレルギーを特定し、症状の予防や治療に役立てるために、このテストを行います。
金属パッチテストでわかること
当院では主に歯科金属や貴金属に含まれる ①ニッケル(Ni)、②金、③コバルト(Co)、④白金、⑤パラジウム(Pd)、⑥銀の6種類の金属アレルゲンを調べることができます。
金属パッチテストの流れ
1
問診
医師が金属アレルギーの可能性や症状を確認します。
2
パッチ貼付
背中や二の腕に、金属の試薬を含んだパッチを貼ります。パッチはこのまま48時間貼った状態で過ごしていただきますので、たくさん汗をかくような運動や入浴は控えてください。
3
結果判定
パッチを貼ってから2日後(48時間後)に再診頂き、結果判定を行います。
正確に判定するために、パッチを剥がしたあとは30分ほど患部の安静が必要になりますので、剥がせる方は来院前にご自宅で剥がしてから来院いただくと判定がスムーズです。
舌下免疫療法
(シダキュア・ミティキュア)
スギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎の治療方法の一つとして、舌下免疫療法があります。内服薬や点鼻薬を使用する一般的な薬物療法は、あくまで症状を抑えるものであり、体質そのものを根本的に改善することは困難です。
これに対して舌下免疫療法は、アレルギーの根本的な改善を目指し、長期間にわたって薬の使用量を減らすか、場合によっては薬を中止できる可能性がある唯一の治療法です。
この治療法は、スギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎と診断された方が対象ですので、アレルギー検査(採血)による確定診断が必要です。検査結果をお持ちの方は、診察時にご持参ください。(当院でも検査可能です)
舌下免疫療法とは
アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を少量ずつ体内に取り入れ、免疫反応(抗体)を形成することで、アレルギー症状の緩和と体質改善を目指す治療法です。その結果、日常生活へのアレルギーの影響を軽減する効果が期待されています。また、注射のような痛みがなく、アナフィラキシーのリスクも極めて低いため、この治療を選ぶ患者さんが近年増加しています。
※当院では、シダキュア(スギ)・ミティキュア(ダニ)を処方しています。
※スギ花粉症の治療は、スギ花粉の飛散していない時期に開始します。(6月~11月ごろ)
※ダニアレルギー性鼻炎は時期を問わず治療を開始できます。
※シダキュア・ミティキュアの処方は登録医制になります。水曜日の午後を避けて、ご来院ください。
このような方はご相談ください
- 花粉症の症状(鼻水、くしゃみ、目のかゆみなど)が辛い方
- 花粉症の時期になるとマスクやゴーグルが手放せない方
- 症状が重く、ぼーっとして仕事や勉強がはかどらない方
- アレルギー治療薬を飲む量を減らしたい方
舌下免疫療法が受けられる方
適応年齢は、成人及び5歳以上の小児が対象です。舌下免疫療法で使用するお薬は、薄いタブレット錠で口の中で溶けるタイプのものになりますので、お子さんでも服薬しやすいのが特長です。
また、妊娠中は副作用発生時に使用できる薬剤が限られるため治療を開始できませんが、開始後3週間目以降であれば妊娠しても治療を継続できます。
舌下免疫療法が受けられない方
5歳未満のお子さんや高齢の方、重度の心疾患や悪性腫瘍の治療中の方、治療開始時に妊娠している方は対象外となっております。
リスクや副作用について
アレルゲンを投与するため、服用後に口の中のかゆみや違和感、喉の刺激感などのアレルギー反応が生じる可能性があり、まれに重度のアレルギー症状が現れることがあります。副作用の多くは、内服を始めた最初の1週間以内に起こることが多く、特にはじめの数日間に発症しやすいとされています。このため、当院では初回投与時は診察室で内服練習を行い、その後30分ほど院内で待機していただきます。